安心を意味する5つのしぐさ

行動の意図が理解できずに飼い犬との関係性にひびが…なんてことを防ぐためにも今回は犬たちの安心を意味する動作たちを紹介します
安心を意味する5つのしぐさ

最後の更新: 03 9月, 2018

犬たちは人間や他の犬と常にコミュニケーションをとっており、その手段のほとんどはボディランゲージです。分かりやすいものから理解し難いものまで様々ですが、今回はその中から私たちが普段見落としがちな、安心を意味する5つの動きをお教えします。

安心シグナル

外向的で心優しい動物である犬は、その気持ち・感情を伝えるためにボディランゲージを使います。そして安心を意味する動作、すなわち「カーミング(安心)シグナル」は、犬たちが一日を通して最も多く行う動きです。

  1. 悪意を持っていないことを表現するため
  2. 一緒にいる人を落ち着かせるため(何か悪いことを考えているから、もしくはその人を少し怖いと感じているから
  3. 自分を落ち着かせるため(緊張・ストレスを感じているから)

この3つが「カーミングシグナル」を行う主な理由であり、どの目的であろうとも全く同じように振る舞います。そのため、その場がどういったシチュエーションなのかをあなたが理解し、飼いが意図していることを察知することが必要です。

これらのシグナルを知ることでペットに対する理解が進み、どのように周りを見ているかが分かることで、より効率的なコミュニケーションがとれるようになるのです。

1.鼻を舐める

犬たちは一日のうちに何度も自分の鼻を舐めますが、私たちはあまり気にしないことが多いです。「カーミングシグナル」であるため他の犬とのコミュニケーションとしても上手く機能しますし、また見ていて分かりやすい動作であることが特徴です。

一般的に食べ物を前にすると鼻を舐めるのは、自分の興奮を静めるという目的があるからです。また誰かが素早く近づくと、怖がって舐める、ということもあります。

2.ブルブル

濡れた毛を乾かそうと体を震わせるものですが、乾いているときにすることもあります。これも「カーミングシグナル」の一つで、ストレスを感じたときなどに自分を落ち着かせようとしているのです。

公園やドッグランで突然体を震わせ始めた場合は ストレスの原因を理解してあげるために、飼い犬に何が起こったか少し振り返ってみましょう。恐らく、他の犬に向かって吠えていたり、ボール遊びをする子どもに近付かれたり、バスが通ったばかりだったかもしれません。

3.においを嗅ぐ

これも私たちが見落としがちな「カーミングシグナル」です。優れた嗅覚を持つ犬たちは、普段からものを嗅がずにはいられません。しかし時に、何も変わったにおいのしない場所を突然におい始めることがあるのです。

例えば公園で飼い犬を呼んでいるのに、その辺の土のにおいを嗅ぎ始めることがあります。これはそのにおいに興味があるわけではなく、自分を呼ぶ飼い主が怒っていたり緊張しているように見えるから、リラックスして欲しいという気持ちを表しているのです。大好きな飼い主のもとへ帰るのに、何も問題を起こしたくない、と伝えたいのです。

4.そっぽを向く

これも犬たちは頻繁に使うのに、人間が気付きにくい「カーミングシグナル」です。私たち人はこれを、意図の理解が難しい動作だと感じる一方で、犬同士では何不自由なく意思疎通できる動きなのだそうです。

飼い犬が顔を背けるときは、あなたが何か怖がらせたり緊張させてしまう原因を作っている可能性があります。例えば、あなたを見つめて可愛らしく振る舞っていた子が、携帯電話を取り出した途端すぐにそっぽを向いたとしましょう。そして二度と振り返ってくれないのです。それは明らかに、「携帯電話」のことが好きでないことを表しています。

5.あくび

単純に眠いとき、またリラックスしているときにもあくびは行うため、最も行動の意図が読みにくいシグナルと言っても過言ではないでしょう。ストレスを感じているからリラックスしたい、怖いと感じている誰かが近くにいる、お昼寝から目を覚ましたばかり、などあくびを行った時点の前後関係から読み取る必要があるのです

時に混乱させられることもあります。例えば公園で他の犬と遊んでいると、突然背伸びをしてあくびし始めます。これは眠たいわけではなく、その他の犬に対して自分はリラックス状態であることを伝えようとしているのです。また、起床直後に部屋から出てすぐあくびをすることもあります。この場合まだ眠いと言っているのか、それともあまり騒ぎたくないと言っているのか、理解することは難しいです。

犬たちを尊重しよう

何種類も「カーミングシグナル」を持つ犬はとても社交的で、仲間と効率良くコミュニケーションすることができます。つまり、喧嘩もあまりすることなく、お友達をたくさん持つことができるのです。

自分のものだけでなく、犬たちの意思表示も尊重してあげることが大切です。あなたが聞いてくれている、見てくれていると分かれば、犬たちも自ずと悪いことはしなくなります。そして何を言おうとしているのか理解してあげることができるようになるのです。優れたコミュニケーションはより良い関係性を生み、幸せを運んできてくれますよ。


このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。