サウジアラビアでは犬を飼うと死刑になる

· 2018年6月4日

以前にも「動物王国」でお伝えしましたが、異なる国での行動や習慣の違いを理解することは簡単ではありません。異なる宗教的伝統になるとさらに複雑になります。これの良い例が、信じがたいことですが、サウジアラビアでは犬を飼うと死刑になるということです。

サウジアラビアで犬を飼うのは命がけ

カップルと犬

勧善懲悪委員会(サウジアラビアの宗教警察)によると、犬と住居を共にする者は死刑を受ける可能性があるのです。

サウジアラビアの宗教警察は、次の目的以外で犬を飼うことを許可していません。

  • 狩猟
  • 放牧と農業
  • 番犬(場合による)

つまり、犬を遊び相手として飼うことはとんでもないことなのです。部屋に犬をあげるなんてもってのほかです。

勧善懲悪委員会によると、サウジアラビアでは家で犬を飼うことは死刑判決を受けることもあるのです。

犬は不潔というコーランの解釈も

サウジアラビアの宗教警察は、コーランの忠実な解釈に従うことを目的としています。しかし、全てのコーランの解釈派やイスラム法が同じ解釈をしているわけではありません。

イスラム以前の時代には、中東の人々は犬と共に暮らしをしていたことがあらゆることから示唆されています。しかし、犬への考え方はイスラムが広まることで変わってきました。一般的に犬はネガティブに見られ、厳格なコーランの解釈者によると、 犬は「不潔」な存在とみなされています。

これは、犬の唾液との接触が主な理由です。犬が大好きな私たちなら、犬がどれだけ舐めるのが好きな動物かは知っています。犬が舐めたものを人間が使う前には必ず洗うことという伝統があるぐらいです。洗うのは1回ではなく、7回です。そして1回目は水ではなく、泥で洗わなくてはいけないのです。

このような定め事は私たちの視点からは理解し難いことです。家で犬を飼うことが命がけだなんて想像すらできません。

しかし、背景を考慮すればこのような定め事も理解しやすくなります。サウジアラビアでは、 厳格な教義の解釈が法律効力を持ったのです。その理由は、国を支配する宗教当局と政治当局との密接なつながりにあります。

法律により女性の基本的な権利が否定されている国、またどんなに小さな「犯罪」でも体刑を受ける可能性のある国で犬が多くの権利を持つことは理不尽なことです。

しかし、頭からこのようなことを否定するのは避けなくてはいけません。欧米でも独自の問題を多く抱えています。異端審問を忘れてはいけません。海外の米国刑務所での拷問もそうです。犬を使ってイスラム教徒の拘留者を脅かす人もいました。

欧米のイスラム教徒犬愛好家

散歩する犬

それでは、犬は大切な家族の一員と考えられている欧米に住むイスラム教徒はどうでしょうか。

犬を自由に飼うことが出来ないアラブやイスラム世界にルーツを持つムスリム主導の団体はありますが、動物が権利を獲得している社会ではそのようなアプローチは理解されることはないでしょう。