救出された可愛いシロイルカの赤ちゃんについて知ろう

· 2018年12月25日
助けられた赤ちゃんシロイルカのチョネックは、幸い元気を取り戻していっています。これもひとえに、最初に発見した人の適切な対応があったからこそです。

9月の終わり頃、1匹のシロイルカの赤ちゃんがアラスカの海岸に打ち上げられました。赤ちゃんは自分の力で生きることもままならず、当然海に帰ることもできない状態で、駆けつけた救出センターが保護することになりました。これは、そんなシロイルカの赤ちゃんと救出劇の物語です。

 

シロイルカは、主に北極海に生息するクジラ目という種族の動物で、シロクジラやベルーガといった別名も持っています。一番近い親戚はイッカクなのですが、まるでクジラとイルカを足したような見た目をしています。彼らは成熟するとおよそ3~5mの大きさ、そして1,200kgもの重さにまで成長します。彼らもまた私たちと同じように社会的動物で、生活も移動も群れで行います。

助けられた赤ちゃんシロイルカ「チョネック」

2017年の9月末、1才になる赤ちゃんシロイルカがアラスカのビーチに打ち上げられました。駆けつけたレスキューチームはシロイルカを海に返してあげるつもりでしたが、その子はとてもやせ細り泳ぐ力も残されていないことがわかったのです。

彼らは急遽計画を変更し、その子をアラスカ海洋生物センター (Alaska Sealife Center)に連れていくことにしました。センターについて数時間後、アメリカの複数都市からシロイルカの専門家が駆けつけ、回復のために尽力することになりました。彼ら分析したところ、助けられた赤ちゃんシロイルカはオスで生後およそ4週間だということが分かりました。その子はとてもやせ細っており、脱水症状の兆候も見られ、何より自分の体温を調節するのもやっとの状態だったと言います。

助けられた赤ちゃんシロイルカ:体は弱いけど健康的

センターでは駆けつけた専門家の指示の元、血液検査や細菌培養、呼吸状態のテストなど、赤ちゃんシロイルカの体調を回復させる為にあらゆる事が講じられました。そうして脱水症状が治り始めた頃から、赤ちゃんはみるみるうちに健康になっていき、治療が始まって数日後には自力で泳いで、お世話係さんたちと遊ぶほどにまで回復したのです。

最初の数日間は、弱り切っていて3時間ごとにチューブ越しでエサをあげないといけなかったようですが、数週間のうちにボトルから水を吸えるほどにまでなったそうです。しかしボトルから水を飲み出したら、今度は人間の赤ちゃんみたいにお腹にガスが溜まり始めたので、お世話係りさんに「ゲップをさせる」という新たな仕事が増えてしまいました!

現在もまだ赤ちゃんシロイルカはセンターで暮らしています。発見時には心配された健康状態も、どうやら問題は脱水症と低体重だけだったようで一安心です。

アラスカ海洋生物センターとは?

アラスカ海洋生物センターは、アラスカ州で唯一の公立水族館です。しかし、彼らは怪我をした動物や親のいない動物たちのお世話もしているので、海洋生物を保護する役割も担っています。保護された動物の一部は野生に返されますが、野生に帰ると死んでしまうと判断された動物たちはセンターが保護することになります。

今回救助された赤ちゃんシロイルカは、今の所は一般公開されない屋内プールで暮らしており、専門家が24時間付きっ切りで見守っている状態です。水族館のプールよりも、より静かで、かつお世話の行き届いた環境にいると言えるでしょう。

お世話される シロイルカ

専門家は彼を野生に返すべきかどうか未だに決めかねていますが、一度保護した赤ちゃんイルカを野生に返すのは難しいという意見もあります。どうしてこの子が群れとはぐれてしまったのかは不明ですが、とにかく海に離したところで群れに帰れるかどうかには疑問が残るのです。さらに、彼はすでにシロイルカと暮らした時間よりも長い時間を人間たちと暮らしています。狩の方法も然り、厳しい自然界を生き抜く力があるかも分かりません。

もしあなたが打ち上げられたイルカを発見したら?

毎年世界中から、イルカやクジラが海岸に打ち上げられたというニュースが入ります。大きなクジラだろうと小さなイルカだろうと、彼らが座礁する理由のほとんどは体の異常や病気です。そして今回のように、赤ちゃんが打ち上げられることも当然起こり得ます。

動物が病気になった時、回復へのカギは「いかに人間が早く行動できるか」にあります。つまり、そんな時何をすべきか、何を必要としているのかを知っているかどうかがとても大切なのです。2017年の夏、とある旅行客たちが打ち上げられた赤ちゃんいるかを発見した時、助けるどころかその子が息をひきとるまでずっと写真を撮っていたのです。

このニュースは世界中を駆け巡り、至る所から非難の声が上がりました。このことからも、「危険にさらされた動物を見かけた時どう行動するか」を知っておく大切さがお分かりいただけるでしょう。まず、その動物が生きているかどうか、そして息をしているか、目が動いているかを確認しましょう。

もし生きていると確認できたら、緊急連絡でレスキュー隊を呼び、その後は彼らの指示に従いましょう。もし人目につく広い場所で発見したのなら、その動物はストレスを感じてしまうかもしれません。つまるところ、野次馬が来ないようにするのです。またレスキュー隊に、動物を一時的に日陰に移動させ、水を与えるよう指示されることもあります。もしそうなったら、濡れたタオルを動物に被せて、その上から海水をかけてあげましょう。

そして、場合によっては独断で海に帰してあげられそうな事もあると思いますが、獣医師の判断を待つべきです。そもそも海に打ち上げられたのは、その子に病気などの問題があって泳ぐ事が出来なくなったからです。つまり、そのまま海に帰してあげたら死んでしまうかもしれません。

さて、もし打ち上げられた動物がすでに死んでしまっていたら、警察や自然保護センターなどに連絡しましょう。ちゃんとした方法で死体を処理してくれます。どんな事があっても、不必要に死体に触ったりしてはいけません。病気にかかってしまうかもしれないので。

あなたの助けはとても大切です

助けられた赤ちゃんシロイルカのチョネックは、幸い元気を取り戻していっています。これもひとえに、最初に発見した人の適切な対応があったからこそです。命の危機にさらされた動物を助けるためには、一人一人の責任感と対応力が必要不可欠なのです。

画像出典:www.telecinco.es