犬を救うために脚を失ったイラン人の兵士

· 2018年10月11日
モハメドさんはこの行動で1本の脚を犠牲にしましたが、彼は犬を救うためのこの行動をとったことに全く後悔していません。

今回のお話に出てくるイラン人の兵士、モハメドさんは動物が大好きです。そして、地雷敷設区域近くの鉄のフェンスに絡まってしまった犬の命を救うことによって、この言葉を行動に移しました。この行動で1本の脚を犠牲にしましたが、彼は犬を救うためのこの行動をとったことに全く後悔していません。

動物を愛する兵士

「何度でもやるさ」と、モハメド・バクタルさんは言います。この19歳の青年は紛争の絶えないイランに住んでいます。イランはイスラム教の教えによって、犬の扱いがとてもひどい地域でもあります。

しかし、この犬を救うためにとったモハメドさんの勇敢は行動は異なる政治的・宗教的考えももつ人々の間の争いを、一時的ではありますが止めることになりました。そしておそらく、その他の犬たちにも希望を与えたことでしょう。

この事故が起きたのは、モハメドさんの兵役中でした。兵役終了まで残すところ1年というところでした。

どのようにしてイラン人の青年が自分の命を危険にさらして犬を救ったのか

どのようにして若いイラン人の青年が自分の命を危険にさらして犬を救ったのか

うめき声のような鳴き声が突然聞こえてきた寒い日の夜、バクタルは守衛の当番でした。そして、彼はすぐに子犬が地雷敷設区の横のフェンスに絡まっていることに気がつきました。

ためらうことなく、この青年は犬を助けに行きました。しかし、この犬をフェンスから放してあげるためには、脚を地雷の上にのせなければならなければなりませんでした。

犬は解放されると無事に逃げていきましたが、モハメドの運命はすでに決定していました。数秒後、脚の下部を奪う大きな爆発が起こったのです。

この話はすぐに広まり、メディアの注目も浴びました。

彼はイラン北部にある、タブリーズの病院まで大急ぎで配送されました。しかし、医師は彼の脚に対して何もすることができず、切断せざるをえませんでした。

彼の話は、ツイッターやテレグラムといったSNS上でもすぐに拡散され、新聞やテレビでも取り上げられました。

彼が滞在していた病院には、ジャーナリストや政府関係者そして一般人が押し寄せてきました。国民の多くが彼の勇敢な行動に感謝したかったのです。

一時的ではありますが、彼がスンナ派であるかなんて誰も気にしませんでした。シーア派が大半を占めるイランでは、スンナ派は少数派であるにも関わらず、ただ彼の素晴らしい行動を称えたのです。

宗教的そして政治的考えの違いを忘れさせてくれた行動

多くの人がこの青年の将来を心配しました。そして彼の健康をサポートするような要求を政府に行ったそうです。

また、イランの副大統領のマソメ・エブテカル氏もモハメドさんの行動を称えました。そして「全てのイラン人の名誉と誇り」だと述べたのです。さらに、彼は環境保護団体のもとで働かないかという仕事のオファーもモハメドさんに与えました。

モハメドさんはこのオファーに対し、「子供の頃からの夢だ」と述べていたそうですイスラム教の法で規制されるこの社会で、犬がもっと受け入れられうよう、彼の活躍を期待しています。

イスラム教の世界における犬の明るい未来

モハメドさんがクルディスタン区の彼の住む街マリバンに戻ってきた時、群衆が彼を迎え入れました。彼に感謝する意味で多くの人がバナーや花を持ってきました。

彼は小さな街に住んでいた幼少期に犬を飼っていたといいます。そしていつも自然が大好きな子だったそうです。しかし、高校に入学し、働くために、別の街に引っ越さなければなりませんでした。なので、ペットを飼うことができませんでした。

何かを与えてくれるけど何かを奪っていくこの複雑な人生が、彼に愛する動物に囲まれながらいい仕事につける幸せのチャンスをくれたのかもしれませんね。

写真元: www.clarin.com