法制化進むエクアドルのキト市:動物虐待を有罪化へ

· 2018年5月10日
動物虐待の根絶に向けて、確実に歩を進める国がある。
動物虐待は、世界中で起こる悲しい現実だ。そして恐らくこれは、人間がこの星に誕生して以来続いてきた事だと言っても良いだろう。しかし、情報通信技術の発達によって、この問題に光が当たり始めた。タンゴの歌詞にもあるように「道は果てしなく長く、努力し続けるのは残酷だ。それでも、前進して非正義を正そうとするものがいる。」

一進一退、動物保護への地道な努力

座っている象
出典:www.stopalmaltratoanimal.com

あらゆる動物虐待のニュースが止まる事なく入ってくる。また、そんな無実な生き物を守るために戦うあらゆる運動についても頻繁に聞く様になった。

特に中南米では、物事が大きく進み始めている。一進一退を繰り返しながら、そこで行われる動物虐待が、なんとか世界中で問題視されるようになった。

例えばエクアドルには、他の動物に襲われたダルシーというメスの犬を哀悼することから始まった「動物国喪の日」があり、市民はみんな知っている。

獣姦事件を受けて、キト市や他のエクアドルの街では抗議運動が起こった。動物虐待の犯罪化を訴える運動だ。

ダルシーの悲痛な物語

ダルシーはキト市 (Quito)の南に位置するラ・エクアトリアナ (La Ecuatoriana)という地区で、エクアドル動物愛護基金(Ecuador Animal Protection Foundation:PAE)のメンバーによって保護された。

獣医がドルシーを診察した所、彼女の膣と直腸の組織が完全に破壊されていた事が分かった。しかしそれよりも、その年老いた雑種犬は酷く飢えており、体に触れば骨の感触が伝わるほどだった。

医者は破壊された組織の再生を試みたが、それはドルシーにさらなる痛みを与えるだけだった。医者達はこれ以上の苦痛は与えられないと、ドルシーを安楽死させることに決めた。

動物虐待の法令化を進めるエクアドル

動物虐待については既にエクアドルの基本法 (the Comprehensive Criminal Organic Code)に含まれているが、活動家達は中でも「動物の福利に関する基本法 (LOBA)」に関して、制裁処置も含めた見直しを要求している。

この運動はペットだけでなく全ての動物が持つ権利について法規することを目指している。例えば、以下のような規制が提案されている。

  • 見世物における動物の使用
  • ペットの取引及び商業目的のペットの展覧会
  • 研究目的での生きた動物の解剖
  • 都市部に住む野生の動物の保護

またこの構想では、断種されたペットの引き取りも促進している。

現在の法整備の状況は?

現在施行されている新たな基本法では動物虐待は2つの条項に渡って記載されている。

第249条、故意または過失により、ペットを損傷、怪我、その他身体状態を悪化させた場合、50から100時間の地域奉仕を課する。また、その動物が死んだ場合は、3から7日の禁錮刑に処される。

一方第250条は、闘犬に関する法規制であり、以下の行為を行ったものは1週間から10日の禁固刑に処される。

  • 犬を強制的に戦いに参加させる、または戦いのためトレーニングを施す。
  • このような違法行為を企画、促進、予定する。

もし犬が損傷、怪我または死亡した場合、禁固刑は2週間から1ヶ月に延長される。

変わるための教育を

動物と子どもたち

さらに、首都を含むいくつかのエクアドルの街では自治体独自の政令を用いて動物虐待を行う犯罪者を裁いている。厳しく取り締まる街もあれば、比較的甘い街もあり様々であるが、一切の取り締まりが行われない街も存在する。

また国として犬の所有に関する規制もあり、その名前からも分かる通り、所有物以外としてのあり方については考慮されていない。

しかし、完璧な規制を目指すことも大事であるが、もっと根本的な変革も必要だ。特に子どもへの教育は、動物や自然を尊重を育む上で重要となるだろう。