群れになったオオカミの生態を知ろう

· 2019年1月12日
オオカミは私たちの好奇心を最もくすぐる動物の一つでしょう。

もしかしたら彼らは私たち人間と何世紀にも渡って共存してきたからかもしれませんし、もしかしたら彼らは犬と同じご先祖様だからかもしれません(犬は人類の親友とも呼ばれていますよね)。とにかく、群れになったオオカミの生態はとても興味深いものです。

通常、動物の群れというのは一緒に旅をする仲間のような存在でしかありませんが、オオカミは群れの中で非常に大切な絆を育みます。彼らはヒエラルキーを持ち、共同で獲物を狩るのです。

 

オオカミといっても色んな種類があります

地球の至る所でオオカミは生息していますが、人間が力を持ったことにより、その数は昔より少なくなりました。特に牧場主とオオカミが縄張り争いを繰り広げているエリアなどでは、特に減少が顕著だと言われています。それでも、オオカミは生物全体の中では成功者の部類に入るため、未だたくさんの亜種が存在しており、主に14種類に大別されています。

オオカミの群れ

種類が違うということは当然身体的特徴も異なり、重さ10kgに成長するオオカミも居れば70kgにまで成長するオオカミもいます。種類によって体の大きさが違うということは、種類によって獲物となる動物の大きさも異なりますし、大きな動物を狩るにはより大きな群れを構成する必要も出てきます

例えばアメリカ合衆国では、30頭のオオカミで構成される群れが目撃されました。しかも、そのオオカミは20頭ぐらいの群れで生活するのが通常と言われていたのです。その一方でイベリアオオカミのように小さめのオオカミは、多くても7頭ほどで群れを作ります。どうやらオオカミの種類によって群れの規模も大きく変わってくるようですね。

アルファに関する逸話

群れの生態系を大まかに把握したい場合、まずはオスの「アルファ」の存在を見る、という話を聞いたことがあるかもしれません。「アルファ」は群れのヒエラルキーのトップに君臨する存在で、他のオスのオオカミよりも高い身体能力を誇る、と言われてきました。しかし、最近は世界中の研究者がこのようなアルファの考え方には懐疑的です。

このアルファについての仮説は、1960年代にオオカミ専門家として権威でもあるデイヴィッド・メック氏によって初めて打ち立てられましたが、今や彼でさえもこの考え方には賛同していません。そもそもメック氏の研究は、捕獲したオオカミを人工的に作られた「自然環境」の元、行われたものだったのです。

「現代のオオカミ専門家は、このアルファに関する考え方に懐疑的です。」

群れ?それとも家族?

今のメック氏は、オスとメスの交配がオオカミ社会を作り上げているのではないかと考えています。つまり、他よりも強いという理由で「アルファ」が選ばれるのではなく、最も生殖能力に長けた個体が「アルファ」としてリーダーになるのではないかという説です。とはいえ、群れといっても大体は母親と父親、そしてそこから生まれた子どもたちで構成されているので、あまり生殖をかけた競争も激しくありません。

つまり、オオカミの群れは常に家族を中心としたグループであるということです。中には、生まれた子孫が独り立ち出来るようになるまで一緒にいるオオカミもいるぐらいですから。とにかく通常、オオカミは一度に3~8匹を出産しますので、子孫だけで群れを作ることだって十分可能なはずです。

では、家族だけでなく他の群れから連れ去られたメンバーも居る群れならどうでしょう?実際、野生の大きな群れでアルファが確認されることがあり、例えば先ほど紹介したアメリカのイエローストーンで目撃されたような大規模な群れは、明らかに一つの家族で構成され得ません。となると、群れの中でアルファ、つまり生殖能力の高い個体になるための競争が激化する訳です。

どこかを見つめる オオカミ 群れ

オオカミは一度に3~8匹の子どもを産みますので、実のところ子孫だけで群れを作ることも可能なのです。

オオカミの群れにある協力関係

大規模な群れにおいては戦略的な集団行動がカギを握り、実際オオカミは獲物を狩る際に様々な戦力を用います。例えば夏になると、ある時は岩山、またある時は池や川など色々な場所で狩りをするのです。

一方冬になると、その存在感だけで鹿のような動物を震え上がらせて雪にはまらせることが出来ますし、大規模な群れはアメリカンバイソンのような大物を狙うことだってあります。

多くの場合、オオカミの群れで若い者は、先輩たちを傍観して狩りの基本を学ぶことに徹します。基本的に、何か明確な役割分担が決められている訳ではないですが、それでも各々の身体能力の違いを熟知した上で狩りを行っているのです。例えば小柄なメスは、獲物の群れを誘導し、飛散させる役を担い、大柄なオスがそこに切り込んでいくといった戦術はよく用いられています。

繰り返しになりますが、これもまた「アルファ」はただの逸話にしか過ぎないことを示していると思います。実際、オオカミは誰かの指示に従って動いているというよりは、全員がその場の状況に応じて臨機応変に動き回っているのです。