あなたは大丈夫?:飼い主を嫌う犬について

· 2018年11月12日
常に肯定的で優しく親切な言葉を犬にかけてください。愛情と忍耐力を持って犬に接し、何かを強要してはいけません。

人間と犬の深い絆については、多くの場所で語られています。

飼い主の中には、犬を「親友」と呼ぶ人もいるほど、私たちの生活に欠かせない存在となる犬ですが、すべての関係が素晴らしいものになるとは限りません。

様々な研究や報告から、飼い主を嫌う犬の存在が明らかになっています。

多くの歴史的な資料を見ると、犬たちは人間に無条件の愛と忠誠を示し、従順なお供だったりパートナーであったことが記載されています。

このように、多くの飼い主が犬との肯定的な関係を築いている中で、実は飼い主を嫌う犬もいるのです。

飼い主を嫌う犬

マサチューセッツ州タフツ大学のニコラス・ドッドマン氏は、飼い主を嫌う犬を研究をしている人の一人です。

ドッドマン氏の著書「ザ・カンバーセーション(The Conversation)」で彼は、リックという飼い主とリックの飼い犬であるアイルランドの犬種であるテリアを実例として挙げています。

リックは、彼の飼い犬であるラッカスを大切にしていましたが、この愛は一方的なものであり、ラッカスはリックに対して反対の反応を見せていました。

いたるところにマーキングをし始めたラッカスは、リックに対して攻撃的な態度を取り始め、最終的にはリックが危険を感じて妻に電話をしなければならないこともありました。

怖がる犬

この珍しい例を使ってドッドマン氏が実証したかったのは、犬との関係をうまく築いていない飼い主が存在するという点です。そしてこのリックとラッカスの関係は、さらに悪化したのです。

リックが芝生を刈っている時、ラッカスがリックに襲いかかったため、動物を捕獲して保護する団体であるアニマルコントロールが介入することになりました。

とても悲しい事件ですが、全ての飼い主がこの出来事の原因を調べて正しく理解することが大切です。

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犬が飼い主を嫌う理由

飼い主を嫌うのはラッカスだけではありません。

様々な理由で、飼い主を嫌ったり攻撃する犬がいます。では、実際にその理由をを見ていきましょう。

トラウマ

ラッカスのケースでは、なんらかの理由がトラウマとなり、飼い主であるリックを襲っていたと考えられていますが、犬の中には様々な理由が原因で、飼い主と良い関係を築けなかったり飼い主を嫌うことがあります。

例えば、前の飼い主に虐待された犬や、誰かに虐待された経験のある犬は人間に興味がない、または人と同じ空間にいることだけで緊張するため、できるだけ新しい飼い主と一緒に暮らしたくないなどと考えるでしょう。

犬には個性があり、誰とでもすぐに仲良くなれるわけではありません。これは人間同士でも同じですね。

動物にも好みがある上、トラウマとなる経験により、飼い主を否定し、人間と一緒に暮らしたくないと考えていることもあります。

飼い主を攻撃するタイプの嫌い方もあれば、全く無関心になる場合もあります。

これは犬が抱えるトラウマや体験の深刻度によって異なります。

恐怖心

ドッドマン氏は、著書「愛しすぎる犬たち(The Dog Who Loved Too Much)」において、飼い主を常に怖がっていたジャーマンシェパードの話を実例として挙げています。

飼い主が家に帰るとすぐに、このジャーマンシェパードは逃げてどこかに隠れてしまう状況が続きました。

飼い主はこれまで、飼い犬を傷つけたり怖がらせるような行為はしていませんでしたが、実はこの犬は前の飼い主に虐待されていたことがわかりました。

つまりジャーマンシェパードは、人間そのものに恐怖心を抱いていたのです。

でもご安心ください!このお話はハッピーエンドとなりました。

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隠れる犬 飼い主を嫌う犬

飼い主の妻は低血糖で悩んでいたのですが、ジャーマンシェパードは低血糖に苦しんでいるのを探知してすぐに飼い主を呼びに行くようになりました。

飼い主はこの瞬間を活用し、飼い犬が知らせてくれた時には必ず愛情を示し、飼い主の妻とともにどれだけ感謝していてどれだけ愛しているかを犬に伝えるようにしました。

そして時間が経過すると、飼い主と犬の関係は劇的に改善されたのです。

このジャーマンシェパードのようにトラウマを抱え、人間に対して恐怖心を抱いている犬に対しては、忍耐強く待つことが大切です。

トラウマを経験している動物は、トラウマを乗り越えてはじめて人間への恐怖心をなくすため、時間をかけて飼い主と楽しい時間や思い出を築き上げて行く必要があります。

常に肯定的で優しく親切な言葉を犬にかけてください。愛情と忍耐力を持って犬に接し、何かを強要してはいけません。最初は難しいと感じるかもしれませんが、不可能なことはありません。

メイン画像の提供元:Tonatiuh Mendez Carrizosa