あなたの姿を見た時に愛犬が抱く感情とは

· 2018年6月2日

犬という動物は群れにリーダーを持つのが普通ですが、これが飼い犬の場合は飼い主がその役目を負う事になります。そしてこのような依存関係の中で感情を表現するのが犬という動物です。彼らの先祖であるオオカミも群れの「ボス」に従うため、犬社会におけるこの関係性も過去から培ってきた習性だと言えるでしょう。

一方、人間は数千年に渡って犬と共存してきました。犬は私たちに誠実であり続けてくれて、たくさんの喜びをくれました。でも彼らが私たちの姿を見た時、私たちが彼らの姿を見た時と同じような感情を抱く、という事を知ってましたでしょうか?

 

愛犬が飼い主を見た時に抱く感情

「犬は人類の親友である。」このシンプルなフレーズは私たちの無意識下に神秘的に刻まれています。しかし、シンプルでありながら、このフレーズの奥には数千年にも渡る歴史が裏付けされています。もし、犬が人間のように考え、話せたとしたら、犬たちも人間を親友と考えてくれるのでしょうか?

進化

恐竜が絶滅して間も無い6500万年前、犬と人間の両方に大きな影響を与えるとある「変化」が起きました。それは、それまでの哺乳類の天敵がほとんど居なくなった為、哺乳類が随分安心に暮らせるようになったという事です。

数千年に渡って、この地球で徐々に哺乳類はその数を増やしていきました。しかし、ここで一つの疑問が浮かびます。「犬にとって最初の直系の祖先はいつ誕生したのか」です。さて、古生物学のデータによると、3700万年前には、最初のイヌ科であると考えられている「キノディクティス」はすでに存在していたと言われています。

キノディクティスはおよそ1000万年にも渡りこの世に存在していましたが、現在の犬たちに遺伝子を伝えて、ついには絶滅してしまいました。

現在のイヌ科の中でも、特に「キノディクティス」と酷似していると言われる種はオオカミです。そんなオオカミはおよそ20万年前ドイツとアメリカに、狐やジャッカル、コヨーテなどと共に現れたと言われています。

こちらを見ているオオカミ

でもそこから変化が起きました。一部のオオカミが人間に適応を始めたのです。もしかしたら、犬は人間が誕生する前から居たと思っていた人もいるかもしれませんが、実はオオカミでさえも人間より後に誕生していたのです。4万年もの間、当初はとても数が少なかった「犬」と呼ばれる種と、人間は親密な関係を築き始めました。

人間との関係

遺伝子学的には、人間と犬の関係はおよそ3万2000年前ごろに始まったと言われています。でもその「関係」は決して優しいものではなく、その逆で敵意に溢れるものでした。

問題のタネは、当初の犬がオオカミの野生の血を色濃く引き継いでいたという事でした。しかし数世紀の時をかけて、犬は人間に対する触れ合い方を変えていったのです。

そして犬と人間は徐々に和解していきました。つまり、人間から食べ物やシェルター、天敵からの保護などを得る為、犬も自発的に人間に従うようになってきたのです。

依存関係

1万9000年前ごろから、犬は狩りや牧畜などのシンプルな仕事を通して、人間の家庭に馴染んでいき、次第に犬と人間の共同作業が増えていきました。でもあなたと愛犬は、そういう「お互いに依存し合っている関係」には思えませんよね。

愛犬を撫でる女性

さて、長い間、人間は犬を「資産」として扱ってきました。つまり人間は犬を、感情があって痛みも感じる私たちと同じような動物だと捉えていなかったのです。しかし今では、犬も法的に家族の一員であり、資産ではなくちゃんとした「存在」であると位置付ける国も出てきました。

愛犬が飼い主の姿を見た時に抱く感情

そうして今では、人間にとって犬はかけがえの無い仲間になりました。そして、犬も人間も互いにそれぞれの感情を抱きあっています。でも残念ながら、私たちは人間の言葉でしかコミュニケーションをできません。

逆に犬たちも、たくさんの感情を持ちながらそれを彼らの方法でしか表現できません。でもこれはつまり、そんな行動を通してなら、愛情などを表現する事は出来るという事です。もしかしたら、彼らも私たち人間をかけがえの無い存在だと思ってくれているかもしれません。

愛犬が飼い主の姿を見た時に嬉しそうにするのは、飼い主が愛犬に餌をあげているから、と思う人もいるかもしれません。でも今日の犬は彼らの祖先から異なる進化を遂げてきたのです。だから、人間と一緒に暮らすのが好きなだけかもしれません。

その証拠に、愛犬が私たちの姿を見た時に、まるで赤ちゃんが初めて母親を見た時のように嬉しそうにしますよね。もしかしてこれは、私たちが愛犬を「フサフサした子ども」として考えているからではないでしょうか。

例えば、あなたが長い留守から帰宅した時、愛犬が飛びついてきて顔を舐めようとしたりしませんか?これは愛犬が孤独で寂しかった事も意味していますが、あなたが帰ってきてくれて嬉しいという幸せも意味しています。

顔を舐める犬

ちなみに、この顔を舐めるという行動もオオカミゆずりで、群れの仲間への挨拶や愛情表現として用いられます。他にも、どこにでも付いてきたり、あなたの足元でゴロゴロするのが好きだったりしませんか?

つまり「あなたの留守中、どれだけ寂しかったか」と言っているのと同じなのです。また、群れの掟である「リーダー従う」という習性から、家主であるあなたに何かしてほしいと思っているのかもしれません。

この記事で少しでも犬の気持ちへの理解が深まれば幸いです。愛犬が飼い主の姿を見た時、彼らは言葉にできない感情を伝えようとしているに違いありません。だから、行動を言葉として受け取る努力をしてあげなければなりませんね。