マーチンゲールカラーの首輪はグレイハウンドに良い?悪い?

· 2019年1月11日
マーチンゲールカラーは、痛みや傷を与えてしまいかねない類の首輪です。よほど特別な理由がない限り、他の首輪を使用した方が良いでしょう。

動物虐待の被害を最も受けてきた犬種の一つがグレイハウンドであり、彼らの保護に特化した動物愛護団体もあるぐらいです。彼らはスレンダーな体格をしているので、見かけたらすぐに分かるでしょう。

彼らは頻繁に虐待や放棄の被害にあい、怯えていないグレイハウンドを探す方が難しいこともあったぐらいです。そんなグレイハウンドは、しばしばマーチンゲールカラーという繊維質の首輪をつけて散歩しています。しかし今日は、そんなマーチンゲールカラーが本当にグレイハウンドにとって良いものなのか、疑問を投げかけたいと思います。

 

マーチンゲールカラーとは?

マーチンゲールカラーとは、幅が広くて可愛い見た目の首輪で、多くの場合革や線維などで作られています。首輪は2つのパーツに分かれており、一つは首に巻く部分で、片方の布の先にもう片方の先を引っ掛けられるようになっています。もう一つは可動パーツで、輪っかとリードを繫ぎ止める役割を果たします。もしワンちゃんがリードを引っ張ると、可動パーツがワンちゃんの首を締めるようになっており、彼らが暴れても動きを押さえこめるように作られています

グレイハウンド用のマーチンゲールカラーはとても人気で、首輪業者もグレイハウンド用に様々な色のマーチンゲールカラーを発売しています。そして残念なことに、グレイハウンドの保護を専門的に行なっている動物愛護団体でさえも、収入源としてマーチンゲールカラーを販売していることさえあります

グレイハウンドとマーチンゲールカラー
出典:diegofornero (destino2003)

 

なぜマーチンゲールカラーを使う人が多いのか?

飼い主が自分のグレイハウンドにマーチンゲールカラーを使う理由は、主に次の2つの理由からです。1)グレイハウンドの首と頭のサイズが近いから。2)グレイハウンドは首輪を怖がるから

犬はだいたい首輪が嫌いです。当然、普通の首輪であっても付けられたら怖がって逃げようとしますが、ほとんどの場合首のサイズが頭のサイズよりも小さいので、頭の根元で首輪が引っかかって逃げ出すことが出来ません

でもグレイハウンドは少し違います。彼らは首と頭のサイズがそれほど違わないので、普通の首輪なら簡単に抜け出してしまうのです。ですのでマーチンゲールカラー特有の締め付け機能を使って、暴れても抜け出せないようにしているのです。

マーチンゲールカラーを使用すべきでない理由

マーチンゲールカラーをグレイハウンドに愛用している飼い主さんが多いのは、上で述べたような理由からですが、その弊害に気づいていない方も多いのではないでしょうか。動物王国では首輪によって長時間犬の首を圧迫することの危険性をしばしば取り扱ってきましたが、ここでも簡単にご説明しましょう。

まず、このタイプの首輪は、チョークチェーンや「しつけ用首輪」と同じような問題を抱えています。すなわち継続的に首を圧迫することになってしまうのです。ただ、確かにマーチンゲールカラーの場合は、他の2つとは異なり鉄製の釘のようなものが付けられていたりはしませんが、布であろうと首を圧迫しているのには変わりありません。

また、マーチンゲールカラーは一定以上の圧迫がかからないように設定されていますが、それでも締め付ける力は強く、首という繊細な箇所につけるのには危険が付きまといます。

さらに、マッスルメモリーを考慮していない飼い主さんもいらっしゃいます。マッスルメモリーとは体が覚えた感覚のことなのですが、例えば過去にチョークチェーンなどで虐待を受けたグレイハウンドは、首回りに何かが巻きつく感覚を感じるだけで怖がったり暴れたりしてしまったりします

2匹のグレイハウンド マーチンゲールカラー

この点では、明らかにマーチンゲールカラーは体に嫌な感覚を残していることでしょう。そして一度虐待の痛みを体が覚えてしまえば、もう二度とそれから逃れられることは出来ないかもしれないのです。

グレイハウンドの為に、マーチンゲールカラーの代わりになるもの

前述したように、グレイハウンドの場合普通の首輪ではすぐに逃げ出せてしまうので、心もとないと思います。また彼らは体もスリムですので、普通のハーネスでも心もとないでしょう。

そんな中、三点ハーネスというものが人気を集め始めています。これも一見、犬の胸や肋骨あたりを締めるといった普通のハーネスのように見えます。しかしこれは犬の体で一番細い場所、お腹のあたりも締めることができるのです。

ハーネスもお腹の部分は胸などよりも細めに作られているので、仮にお腹以外のところを抜け出したとしても、一番細いお腹の部分を抜け出すことは非常に困難となります。

また他のハーネスと同様、三点ハーネスもワンちゃんにかかる力を胸や肋あたりを中心に分散してくれます。つまり、首などの繊細な箇所を圧迫することなく、ワンちゃん自身の骨で支えるというわけです。それに首輪一つで繋がっているよりも、ハーネスの方がよっぽどコントロールもしやすいですしね

最後に。酷い仕打ちを受けたグレイハウンドは、残りの一生を悲しく、怯えながら暮らして行かなければならなくなります。マーチンゲールカラーで首を締めるのは、彼らにとってそれほどの痛みになり得る、ということを認識する時期でしょう。これはどんなワンちゃんにも言えることですが、やはり一番の選択肢は三点ハーネスです。これは安全性も高く、そしてワンちゃんの健康にとってもずっと優しいものですから。