犬の巨大食道症とは?症状と治療法

· 2019年3月18日
巨大食道症とは、食道が拡張し柔軟性を失うことで、犬が食べ物や水を飲み込むことができなくなる病気です。

この病気は回復が難しく、一般的に猫よりも犬に深刻な影響があります。残念なことにこの症状においては、適切な治療を行わない限りさまざまな問題を引き起こし、ペットの命を危険にさらします。

犬の巨大食道症とは

巨大食道症とは、食道の拡張と運動性の喪失で定義され、特に犬において重大な問題です。この症状によって柔軟性を失った食道では食べ物や液体を飲み込むことができなくなります。

食道の拡大はたとえばグレートデーン、ジャーマンシェパード、ラブラドールレトリーバーなどの大型犬でより頻繁に起こります。また出生時からスタートする先天性のものもあります。この症状を先天的にもつ可能性がもっとも高い品種はワイアーフォックステリアとミニチュアシュナウザーです。

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巨大食道症の原因と症状

もっとも基本的な症状は食後すぐもしくは数時間後の嘔吐です。他には、下記のような症状が見られます。

この病気によって引き起こされるもっとも深刻な疾患のひとつは誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)です。これは食べ物や唾液、飲み物、もしくは嘔吐物などが直接肺に入ってしまった場合に生じます。

犬の巨大食道症には、胎児のときに発生する先天性のものもあります。しかし、後天的に発症するものもあり、他の遺伝的条件や病気と連動することもあります。

後天性の場合は、以下のような原因が考えられます。

  • 筋炎や重症筋無力症といった神経筋疾患
  • 食道の腫瘍
  • 食道に異物がとどまる
  • 食道の炎症
  • 寄生虫感染

診断と治療

獣医師は患者の病歴を確認し、検査をするとともに飼い主の説明から嘔吐の傾向があるかどうか確認します。これらの結果を踏まえることで他の消化器病の可能性を除外することができます。

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嘔吐したものの中に未消化の固形物があるか、また全体の色などのようすも診断の決め手となります。それらに加えて血液や尿などの一般的な検査の結果も合わせて考慮し、患者の状態を決定します。

食道に異物がある場合は食道鏡検査を行って除去します。またこの検査によって拡大の程度も観察できます。

主な治療方針としては、二次的な巨大食道症をターゲットにしてその原因となった症状の治療を目指します。ただし中には手術を必要とするケースもあります。エサを食べられない状態のときには胃ろうを使用することになります。

また先天性のケースにおいては緩和ケアしか行えないことも多く、その場合には4時間ごとに犬の体をひっくり返してやらなければなりません。エサは液体のものを用意し、寝床は柔らかいマットレスを使用します。

  • Manning, K., Birkenheuer, A. J., Briley, J., Montgomery, S. A., Harris, J., Vanone, S. L., & Gookin, J. L. (2016). Intermittent At-Home Suctioning of Esophageal Content for Prevention of Recurrent Aspiration Pneumonia in 4 Dogs with Megaesophagus. Journal of Veterinary Internal Medicine. https://doi.org/10.1111/jvim.14527